両者の技術的な違い、主な違いは以下の通りです。
可搬重量:産業ロボットは数百kg以上の重量物も扱えますが、協働ロボットは最大で35~50kg程度まで
動作速度:産業ロボットの方が大幅に速い
プログラミング:協働ロボットは直感的な操作が可能、産業ロボットは専門知識が必要
設置スペース:協働ロボットの方がコンパクトで、設置が容易
【導入時のコストと費用対効果】
協働ロボット:
・初期投資は比較的少額(300万円~)※1
・安全柵が不要でコスト削減
・柔軟な配置転換が可能
産業ロボット:
・初期投資が高額(数百万円~)※1
・安全柵や周辺設備のコストが必要
・設置工事費用や工数も考慮が必要
※1・・・金額に関しては確認が必要です。目安としてお考えいただければ幸いです。
【安全性とコンプライアンス対応】
協働ロボットであっても、リスクアセスメントは必須です。特に以下の点に注意が必要です。
・作業内容に応じた安全認証の確認
・作業者への安全教育の実施
・定期的な安全点検の実施
・関連法規制への対応
【現場での適応性と設置の難易度】
導入時には以下の課題に直面することが多くあります。
1.既存の生産ラインとの統合
2.作業者の受け入れ態勢
3.作業スペースの確保
4.電源や配線の整備
【導入前の準備と現場の調査】
成功のためには、以下のステップが重要です。
1.現状の作業分析と課題の明確化
2.導入目的の設定と期待効果の算出
3.作業者との合意形成
4.段階的な導入計画の策定
【トレーニングと技術支援の活用】
・メーカーが提供する研修プログラムの活用
・社内技術者の育成計画の策定
・外部専門家との連携体制の構築
【自社の作業内容に応じた選択基準】
□ 作業の種類と内容
□ 必要な可搬重量
□ 要求される精度
□ 作業速度の要件
□ 設置スペースの制約
【投資対効果の検討ポイント】
□ 初期投資額
□ ランニングコスト
□ 期待される生産性向上
□ 人件費削減効果
□ 保守費用の見積もり
【ディスクSET確認機】
FANUCの協働ロボットCRXを導入したディスクSET確認機です。導入前は手作業での確認作業が行われており、常に作業者が必要でした。導入後は、ロボットがディスクの積層と検査を行うことで、0.5人分の工数を削減し、作業者は他の工程に集中できるようになりました。この結果、全体の作業効率が向上し、さらなる省人化を検討するきっかけとなりました。
詳しくはこちらの記事をご覧ください。
協働ロボットと産業ロボットは、それぞれに特徴があり、用途に応じて使い分けることが重要です。導入に際しては、以下の点を特に意識しましょう。
1. 作業内容と必要な機能の明確化
2. 安全性とコンプライアンスへの配慮
3. 導入後のサポート体制の確認
4. 段階的な導入によるリスク軽減
今後、両者の技術はさらに進化し、より使いやすく、より安全なものとなっていくことが期待されます。自社の状況に合わせて最適な選択を行い、効果的な導入を実現しましょう。導入に際する不安、進め方に懸念点がありましたら、お気軽に弊社までご相談いただければ幸いです。