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工場営繕の基本と事例紹介老朽化対策から生産性向上まで

作成者: Engineer Knowledge|2021年03月05日

 

工場営繕・安全対策工事

工場営繕とは

「営繕工事」とは、リフォーム工事と同義に扱われ、既存の建築物や設備に対して新たに付加する『営造』と、修理や改修を行う『修繕』を合わせた工事のことです。建築物の新設工事と比較すると、コストを大幅に抑えることができ、工事期間も短期に収めることができます。また、単なる既存機能の回復にとどまらず、機能の追加や改善効果も期待できる点が特徴です。お客様のご要望に応じた提案を通じ、多くのメリットを提供することができます。営繕工事を進める際には、予算や設備の構成を考慮するだけでなく、環境への配慮、省エネ、安全対策、そしてものづくりの生産性向上といった視点からも検討が必要です。



今回は工場営繕工事からいくつか事例をご紹介いたします。皆様の環境対策、省エネ、安全対策、生産性向上のお役に立つことができれば幸いです。

営繕工事の重要性

建物や設備にライフサイクルを考えたときに、特に「運用管理コスト」の視点から、営繕工事は大きな意味を持ちます。詳しく見ていきましょう。

1.ライフサイクルコストの削減

建物のライフサイクルには、企画・設計、建設、運用・管理、解体という4つの段階が含まれます。この中で「運用・管理コスト」が全体の約70%を占めるため、この段階でのコスト削減が建物全体のコスト効率を左右します。営繕工事は、建物や設備のメンテナンス、修繕、機能改善を通じて、運用管理コストを低減する手段です。計画的に営繕工事を行うことで、故障や大規模な修繕を未然に防ぎ、突発的なコスト増加を回避することができます。


2.設備や建物の寿命延長

営繕工事は、建物や設備の機能を回復・改善し、長期的に使用可能な状態を保つ役割を果たします。定期的な修繕や改善により、経年劣化によるパフォーマンス低下を抑え、設備や建物の寿命を延ばすことができます。これにより、建物の解体や再建のタイミングを遅らせ、長期的な資産管理を維持することができます。また、最終段階である解体においても、営繕工事によって建物や設備の寿命が延びるため、解体・再利用コストを抑えることができます。3.低コストでの機能改善

新設工事と比較すると、営繕工事は既存設備を活用しながら機能を向上させるため、コストが抑えられるのが大きなメリットです。例えば、照明の省エネ化、段説性能の向上など、機能改善を含む営繕工事を行うことで、環境負荷を軽減しながら運用コストを削減することが可能です。

工場営繕事例のご紹介


▮階段 設置工事 場所:静岡県西部 期間:2日

【施工内容】
既存梯子の取外し・撤去、踊り場の取付け、新期製作階段の搬入・設置

【工事のポイント】
・周囲の火の粉養生(取外し・設置時)
・取付け時の角度および高さの確認
・高所作業のため、物の落下などの安全注意

【工事のメリット】
・高所への安全な昇降ができる
・レイアウトの利便性向上
・工場内の外観性向上

▮工場屋根 雨漏り修理 場所:静岡県西部 期間:2日

【施工内容】
雨漏り原因箇所の確認、既存シール撤去、部材浮き部締め付け、シーリング

【工事のポイント】
・雨漏り原因箇所の確認(屋内・天井裏・屋根上)
・屋根上の折板の浮き、穴空き、腐食のチェック
・対処法の検討(当工事ではシーリングで処理)

【工事のメリット】
・雨漏りの解消
・建物内の設備・材料その他の水漏れ防止
・作業者の歩行すべり解消など安全性アップ

▮工場入口 土間修理 場所:静岡県西部 期間:1日

【施工内容】
コンクリート斫り、配筋、コンクリート打設

【工事のポイント】
・粉塵等の飛散防止の養生(コンクリート撤去時)
・配筋による補強(重量車両通路のため)
・傾斜を考慮(雨水侵入防止のため)

【工事のメリット】
・コンクリートの陥没・ひび割れの解消
・配筋による強度アップで重量物搬送も安心
・入口付近の外観性向上

資料DL:工場営繕ガイドブック


いかがだったでしょうか。弊社と協業いただいている大橋建工様が提供する「工場営繕ガイドブック」のご紹介です。このガイドブックには、掲載されている施工サンプルに加え、コンクリート修理やピット埋没工事、梯子ガードの製作・設置工事など、計15件の施工事例が含まれています。施設の老朽化や安全対策、環境改善などでお困りの方は、ぜひ下記からダウンロードしてご覧ください。