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オンラインセミナー「カーボンニュートラルに向けて」中部オリオン(株)

 

オンラインセミナー「カーボンニュートラルに向けて」

サカエオンラインセミナー 「カーボンニュートラルに向けて

今回のオンラインセミナーは「カーボンニュートラルに向けて」という題目でお送りいたします。
本セミナーでは、カーボンニュートラルに向けて製造業にて実施すべきポイントの1つである省エネについて事例・製品を交え、ご紹介いたします。講師は中部オリオン(株) 中村様でお届けします。今回の講習では、法令改正に伴う特定化学物質障害予防規則、粉じん障害防止規則の概要について解説しています。

【講習のアジェンダ】

1.カーボンニュートラルの概要
2.オリオン機械のコアテクノロジー
3.省エネ事例紹介
 1)真空ポンプ及びブロワ
 2)ハイブリッドチラー(フリークーリングチラー)
 3)設備用精密空調機


【本セミナーの文字起こし】

【カーボンニュートラルとは】

2020年10月、政府は2050年までに温室効果ガスの排出を全体としてゼロにするカーボンニュートラルを目指すことを宣言しました。排出を全体としてゼロにするというのは、二酸化炭素をはじめとする温室効果ガスの排出を量から、植林・森林管理等による吸収量を差し引いて合計を実質的にゼロにするということを意味しています。(図: 環境省:脱炭素ポータルより引用)

【なぜカーボンニュートラルを目指すのか】

世界の平均気温は2017年時点で1850年~1900年と比べ、既に約1℃の温度上昇をしたことが示されています(グラフ: 出展:気象庁HP)。このままの状況が続けば、さらなる気温上昇が予測されています。近年、国内外で様々な気象災害が発生しています。個々の気象災害と気候変動問題との関係を明らかにすることは容易ではありませんが、気候変動に伴い、今後豪雨や猛暑のリスクがさらに高まることが予想されています。日本においても、農林水産業、水資源、自然生態系、自然災害、健康、産業、経済活動への影響が出ると指摘されています。こうした状況は、もはや単なる気候変動ではなく、私たち人類や全ての生き物にとって、生存基盤を揺るがす気候危機とも言われています(図: 出展:IPCC AR5 WG I SPM Fig.SPM.8(a))。

【カーボンニュートラル実現のポイント】

我々、産業界、製造業において実施すべきポイントは大きく3つあると考えています。

1.エネルギーの使用量を削減する(省エネ)。
2.使用するエネルギーを再生可能エネルギーに切り替える。
3.CO₂を吸収・除去する取組みを行う。

本日ご紹介するのは、1番の省エネに関する事例・製品となります。

ここで、オリオン機械のご紹介を少しだけさせていただきます。オリオン機械の歴史は1946年から始まり、今年で75年(2021年時点)を迎えます。酪農機器メーカーとして始まり、牛乳冷却用ユニットクーラーの開発で培われた冷凍技術は、現代のニーズに合わせ産業用チラーや圧縮空気の除湿装置、冷凍式ドライヤーをはじめ、現在では精密空調機等、幅広い分野へ発展しています。また、搾乳で培われた真空技術は、無給油式回転真空ポンプ・高圧ブロワーへと発展しています。これらの製品は、全て省エネを目指し進化し続けます。

【省エネのご提案】

皆様におかれましては省エネ活動を推進されていることと存じます。オリオン機械では「カーボンニュートラルに向けて」と題し、「省エネと環境」に取り組んでいます。

本日はその中から、3つの製品・事例を紹介させていただきます。1つ目は、真空ポンプ、ブロワ(KCE)です。事例としましては、押出し成形機に使用される水封式真空ポンプ更新による省エネの事例。もう1つは、高圧ブロワを使用したエアーブローのご提案の事例を紹介させていただきます。

【ハイブリッドチラー(FCMC)】

2つ目に、ハイブリッドチラー、フリークーリングチラーです。射出成形機の金型冷却用チラーの更新事例をご紹介いたします。

【設備用精密空調システム(PAP)】

3つ目は、設備用精密空調システムとなります。ヒートポンプバランス制御の次世代空調システムのご紹介です。

それでは順にご紹介します。

【オイルフリー真空ポンプで省エネ効果70%以上】

押出成形機での事例です。パイプや異形製品の押出し成形では、冷却時に製品の形、寸法を維持するために真空ポンプが使用されます。冷却に使用する水を真空ポンプが吸い込んでしまうこともあり、多くの場合、水封式の真空ポンプが採用されています。水封式真空ポンプとは、真空ポンプの中の水を遠心力で回し、外周でリングが形成されます。この形成されたリングの中で真空が生み出されています。オリオンの真空ポンプは、このように非接触の爪型をしたツインローターが回転し、真空ポンプを生み出しています。水封式の真空ポンプの利点としては、水分を含んだ空気の吸引が可能であったり、特殊ガスを含んだ空気の吸引が得意です。しかしながら、水封式真空ポンプはポンプ内の水も回さなければなりません。このため、搭載するモーターの容量は大きくなります。その点、オイルフリー真空ポンプ、ドライ真空ポンプは冷却水を必要とせず、効率良く真空を生み出すため搭載するモーターの容量を小さくすることができます。しかしながら、水分を含む空気の吸引は苦手としています。そこで今回の事例では、真空ポンプの前段に気液分離装置、リキッドセパレータを設置し水分の吸引が必要な用途においても省エネを実現しました。省エネ効果は79%の省エネです。これは真空ポンプの方式の違いもありますが、さらにオリオンの真空ポンプはインバータを搭載することが可能です。用途に対する最適な真空度に調整することが可能となり、無駄な真空度の発生を防ぎ、お客様の負荷の変動にも追従して省エネ効果を高めます。今回の事例では、水封式真空ポンプで使用されていた冷却水の使用もなくなりました。冷却水用に使用していたクーリングタワー、送水ポンプの動力も削減することができ、省エネ効果が得られています。煩わしい水の管理もなくなり、省エネ効果にプラスαの評価を頂きました。今回の用途に限らず、皆様の生産設備に使用される真空源、真空ポンプやエゼクターを見直すことで省エネ効果が得られます。ぜひご相談ください。

【高圧ブロワに切替えて省エネ効果50%以上】

皆様の生産現場では、多くの圧縮空気、コンプレッサーエアが使用されていることと思います。一般的には、工場内の電力使用量のうち、約20%がコンプレッサーの動力と言われています。また、このコンプレッサーエアの使用用途を見てみると、約50%がエアーブローに使用されていると言われています。改正省エネルギー法でも推奨はされていますが、このエアブローに使用されるコンプレッサーエアを高圧ブロワに切替えて省エネを図る事例です。

ブロワーと聞くと、吐出圧力が低いと感じられる方も多いと思います。多くのブロワーは0.02MPa、20kPaから、0.04MPa、40kPa程度です。オリオンのエアーブロワーは0.1MPa、100kPaを実現しました。空気の速度、流速は音速を超えることはないと言われています。音速領域を発生させる圧力を臨界圧と言いますが、その圧力は約0.09MPa、90kPaになります。ブローエアーにおいて、最も有効な圧力まで昇圧することができるオリオンのエアーブロー、ブロワーで省エネを図っていきます。ブロワーを検討する上で最も重要な要素は3つとなります。

⓵ノズル直前圧
②ノズルの口径
③ノズルとワークとの距離

この3つが重要なポイントとなってきます。切削工程や洗浄工程、塗装工程等、多くの製造工程でゴミの吹き飛ばしや水切り、乾燥にエアーブローを実施しています。また、先ほど押し出し機で真空ポンプの紹介をさせていただきましたが、押出し成形では冷却に使用した水をコンプレッサーエアを使用し水切りをしています。今回の事例では、現状、圧力0.2MPa、使用するノズルの口径は2φ、そのノズルを10個使用しています。ワークまでの距離は50mm、その時の衝突圧力は0.01MPa、12kPaになります。これをブロワーで、圧力0.08MPa、80kPaに設定し、ノズルの口径は3φ、ノズルの数は同じく10個使用しております。ワークまでの距離は同じく50mmで、衝突圧力も同じく0.012MPa、12kPaとなり、同等の仕事が可能になります。コンプレッサーは吸い込んだ空気を一旦0.7MPa程度に昇圧、圧縮してレギュレータ等で減圧して使用しています。対してオリオンのブロワーは、最適である0.1MPa、100kPaまで昇圧、圧縮して使用しています。コンプレッサーエアを使用する場合、昇圧、圧縮から減圧して使用している、この部分がムダになるのです。ブロワーの動力比はコンプレッサーに比べ、概ね半分、50%になることが見込めます。また、吹き飛ばしの最適化を図ることで更に省エネが図れます。真空ポンプ同様にインバータを搭載することが可能となりました。任意の圧力設定が可能でお客様の負荷に追従した運転を行うことで、更に省エネが図れます。皆様の製造現場でエアーブロー工程がございましたら、是非ご相談ください。

【自然エネルギーで省エネ効果61%以上】

循環型冷却水装置、チラーの紹介です。冷却水は、水道水、い水、工業用用水、クーリングタワー、チラーと様々です。昨今、製造装置の高速化や高精度化で冷却水を使用する装置が増えていることと思います。また、冷却水温度の安定化を求められるお客様も増えています。今回の事例は、射出成形機の金型冷却用のチラーとなります。今回紹介するチラーはエコハイブリッドチラー、フリークーリングチラーです。四季の気候を利用した自然エネルギーを使用したチラーになります。通常のチラーは搭載した冷却機のみで冷却しますが、エコハイブリッドチラーはフリークーリング機構、ファンクーラーを搭載しています。設定温度、熱量、外気温に合わせ、併用もしくは一方の気候で運転します。フリークーリング機構を積極的に活用することで、大きな省エネ効果が得られます。また、エコハイブリッドチラーはモジュールタイプになっておりますので、連結することが可能です。お客様の使用量に応じ、設置することが可能です。

【FCMC55Aとインバータチラーの消費電力比較(試算)】

このグラフは、オリオンの代表的なインバータチラーをご使用になられていたお客様での事例です。設定水温は25℃、ご覧の通り、気温の変化に伴い、消費電力が変動していることが分かります。25℃を下回る中間期から冬季にかけて消費電力が大幅に下がっていることが見て取れます。これは、最大の特長であるフリークーリング機構をメインに使用することで冷凍機の消費電力を抑えているからです。設定水温が30℃で良いという用途では、更に消費効果が得られるとご理解いただけるかと思います。

省エネ効果とは少し離れますが、クーリングタワーをお使いのお客様、設備の管理でお困りではありませんか?藻の発生やスケールの発生、レジオネラ菌や水質管理、清掃業務に薬液の注入、濃度管理、また夏場の気温上昇による冷却不足、冷却水の温度上等の問題もチラーを活用することで解決します。冷却水の省エネお困りごとがありましたら、ぜひご相談ください。

【精密空調機で最大80%の消費電力を削減】

設備用空調機のご紹介です。皆様の工場に加工した製品の寸法等を測定する測定室や性能評価等に行う検査室、評価室はございませんでしょうか?正確な測定をするためには、測定する環境の温度や湿度の安定は不可欠です。温度、湿度の変化により、製品や測定機器の膨張・収縮があっては正確な測定はできません。既に空調設備を導入いただいていることとは思いますが、空気の加熱や加湿に電気ヒーターを搭載した空調機をご使用ではありませんか?

オリオンの精密空調機は電気ヒータを使用しません。オリオン独自の冷凍機制御、ヒートポンプバランス制御で電気ヒータレスを実現しています。通常のヒータPID制御では吸い込んだ空気を冷凍機で冷やし、ヒーターの出力制御で温度コントロールしています。冷却運転でも加熱運転でも冷凍機の出力は変わらず吸い込んだ空気を冷やしています。その後、設定温度まで電気ヒータで暖め、加熱し、温度コントロールをしています。空気を暖めるために必要な電気ヒータの出力は、冷凍機の出力の3倍にもなります。オリオンのヒートポンプバランス制御では、冷凍回路における圧縮熱や外気の熱を独自のヒートポンプ技術で利用しています。冷却運転時は、冷却回路に多くの冷媒を流し、加熱側の回路へは冷媒の流量を少なくしています。冷却回路、加熱回路に流れる冷媒量をバランス良く制御することで、最大80%の省エネを実現しています。この事例では、精密測定器でご使用いただきました。試算値ということにはなりますが、68%の省エネ効果が見込めます。オリオンでは、小型のパネルブースやクリーンブースもご提案させていただきます。空調機のラインナップは、小型、風量1m³から大型 風量120m³まで揃えています。除湿に特化したシリーズや低温ニーズにお応えする製品もラインナップしております。空間空調の省エネ、ぜひご相談ください。

以上を持ちまして、オリオン製品の紹介を終了させていただきます。


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株式会社サカエ

株式会社サカエ

伝動・油空圧機器から検査装置まで扱う技術商社。ロボット導入や画像検査装置導入により生産現場の自動化や省力化を実現させるご提案をします。

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