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技術伝承という課題への解決策とは?ツールを活用した事例をご紹介

2023年04月28日

技術伝承ツールを活用した解決策をご提案いたします

お客様との商談の中でよくいただく声として、「若手の育成に困っている」「技術伝承ツールで良いものはありませんか」等があります。紙ベースのマニュアルや文章のみのマニュアルでも理解ができ、実際にこれまで問題がなかったということであればそのままでも良いかもしれません。しかし、その「問題がなかった」というのは本当に「問題がなかった」のでしょうか。もっとシンプルに、もっと視覚的に分かりやすければ、さらに技術伝承をスムーズに行うことができるのではないでしょうか。そのためには、自分たちで工夫する、もしくは市場にあるツールを活用する必要があります。今回は、視覚的に分かりやすく、多言語に対応し、かつ簡単に導入ができる技術伝承ツール「タイムプリズム」を紹介しながら、技術伝承について考えていきます。

1.現場で抱える技術伝承に関する課題


技術伝承とは、その言葉の通り、長い間蓄積してきた技術・技能を次の世代に伝承していくことを言います。「伝承する」と一口に言っても、そこには課題がいくつもあります。

人手不足 じたばたする男性

1つは人材不足が挙げられます。高齢化が進み、技術を次世代に伝承する前に退職していく社員が増加。退職者の数は一定ですが、新しく入社してくる社員の数も一定とは限りません。人材不足は、社員一人ひとりの仕事量の増加を意味します。つまり、せっかく新しく入社してくる社員がいても、教育に割くリソースが足りないという問題が出てきます。結果、新人教育がうまくいかず、社員のモチベーション低下や離職者数の増加に繋がることもあります。

研削盤を使用して作業を行う男性

他には、「カンやコツ」の言語化ができない・難しいということも課題に挙げられます。モノづくりの現場に限らず、言語化が難しい仕事は往々にしてあります。例えば、ある製品の修理をするときに、「確認作業として、叩いたときに鈍い音がしたら問題ない」という風に言語化をするとします。「鈍い音」とはどんな音でしょうか。ドンでしょうか。それともボンでしょうか。このように、言葉だけで伝えるには限界があり、それをわかりやすく人に伝えるのは至難の業です。

マニュアル見て指示

また、「マニュアルを作成したはいいが、どのように活用したら良いか分からない」という課題があります。マニュアルを渡して「読んでおいてください」と指示するだけだったり、マニュアルを一緒に見ながら解説したり。工数を割かずに相手に理解してもらえれば良いですが、マニュアルそのものの質や、読み手の理解力の問題等、内的・外的要因のどちらにも課題があるため、現実的ではありません。また、工数を割いても、各指導者の言葉のニュアンスが違ったり、マニュアルを使っての説明が億劫で活用してもらえないというような問題もあります。

2.そこで…技術伝承ツール「タイムプリズム」を活用すると


そこで、動画を活用したマニュアル作成ツールのご提案です。動画を活用したマニュアルであれば、視覚的に分かりやすく、かつ言語化ができない箇所の説明も容易にできます。使用するツールに別言語の仕様があれば、海外拠点での教育や、言語に自信がない外国人労働者の方への教育もスムーズになります。それを実現できるソフトが、下記にて説明する(株)日本生工技研様のタイムプリズムです。

 

 

3.タイムプリズムでできること


タイムプリズムは、見える化・改善・技能伝承を実現する作業分析ソフトです。ビデオ撮影した映像ファイルをPC上で再生しながら、簡単な操作で作業分析を行うことができ、作業分析支援に貢献します。タイムプリズムで解決できることは主に3つあります。

⑴改善活動時間の短縮
⇒時間測定の手間削減+各種グラフ・チャートの自動作成

作業分析の効率化


⑵正確な見える化、問題点発見
⇒グラフ・チャートのボトルネックを映像で振り返り

分析データ→見える化グラフ・改善シミュレーション


⑶動画マニュアルによる技能伝承
⇒クリック操作で作成したデータを動画マニュアル簡単出力
標準作業の作成、徹底→生産性向上、品質安定

4.導入事例


【抱えていた課題】

自社内で動画を撮り、製造工程を動画で教育する計画を立案。しかし、製造工程単位に動画を分割すると1製品製造に多くの動画ファイルが必要となり、非常に手間がかかる作業に。加えて、他のデータとの組み合わせがうまくいかず作業が滞ってしまいました。また、製造工程標準時間を組み込むためには、映像を見ながら再度ストップウォッチで計測し、Excelに入力・グラフの作成等の作業にも手間がかかっていました。


【タイムプリズムを導入し、動画マニュアルを作成】

■作成手順■

⑴製造ラインごとに動画撮影者、マニュアル作成者を選定。

⑵標準作業に精通した熟練者を動画撮影。

⑶動画をタイムプリズムに取り込み、工程分析機能により工程分割と工程名称入力。

⑷工程分析機能のメモ欄に工程ごとのポイント、留意点を記入。

⑸プレゼン出力機能により工程ごとの説明の入ったMS-PowerPointファイル(以下、PPTファイル)を作成。

⑹PPTファイルにはあらかじめ、工程ごとの動画データ、作業時間、メモ覧を埋め込んだテンプレートページを組込み、これらの内容をPPTファイルとして出力。

⑺出力されたPPTファイルに工程で製造した良品サンプル例、過去に発生した問題点など他のデータを埋め込みます。

■動画マニュアル活用手順■

⑻作成したPPTファイルをサーバに保管します。

⑼各工程の新人作業者等に、このPPTファイルをまず見させ工程手順、重要作業ポイントなどを確認させます。

⑽Officeを搭載したタブレットPCにPPTファイルを入れ、作業現場にて再度PPTファイルを見ながら工程手順、作業内容を確認させ、実際の工程作業を行います。作業を行った後、現場でPPTファイルにある良品サンプルとの比較、確認を行います。

【効果と今後の対応】

タイムプリズムで動画マニュアルを作成した結果、既存の映像データツールを用いていた時と比べ、約22%削減することができました。これは、従来必要だった時間計測と映像データ交換(ファイル出力)がタイムプリズム使用により短縮できたことになります。結果、3か月間で、計12個のマニュアルを作成することになりました。今後は、見える化のための動画マニュアルをさらに作成するとともに、作成したマニュアルをもとに詳細な工程分析、改善活動に応用していく予定です。

ご活用いただければ幸いです。

 

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株式会社サカエ

株式会社サカエ

伝動・油空圧機器から検査装置まで扱う技術商社。ロボット導入や画像検査装置導入により生産現場の自動化や省力化を実現させるご提案をします。

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